2枚の写真を合成してなじませる方法は、本当によく使いますしすごく便利です。
Photoshopで片方の画像をグラデーションマスクで透明にして、境界をなくすと、すんなり溶け込む合成画像が作成できます。
作り方はとても簡単ですが、方法は世間一般のそれとは少し違うのでご紹介しますね。
1枚画像を単色背景に消えていくように使うこともあるので、やり方を見てみましょう!
目次
グラデーションマスクはPhotoshopで本当によく使う
改めて確認ですが、かなりの頻度で使うのでレイヤーマスクの使い方を含め、忘れてしまっている方も思い出して学習することをオススメします。
マスクを使うので、元画像を非破壊編集しているところもポイントです。
元画像をグラデーションでマスクして「消去」して使っている方も多いと思いますが、マスクレイヤーの削除だけで元画像に戻せる恩恵は大きいです。修正したいけど、元画像どこだっけ?と探すような時間は発生しません。
一般的に紹介されているレイヤーマスク方法
上図のようにWeb上で見かける方法は、2つのレイヤーの上部の画像にベクトルマスクを作成して、グラデーションの黒→白でぼかす範囲をドラッグしましょうというもの。
これでも良いのですが、拡張性がとぼしいかなと思うところと、自分の頭の中で認識しづらいのが難点です。
一方向にグラデーションをして終わり、、というわけにはいかない場合が出てきた時に処理がわかりにくくなってしまいます。
「選択範囲にマスクを追加」とすることでグラデーションマスク追加は可能ですが、これが扱いにくいのですね。
グラデーションのマスク処理方法は1つだけではなく、なんていいますか逆向きに使った方が使いやすいのです。
- グラデーションマスクの追加が容易
- 境界の端がどこからなのかよくわかる
- 配置を最初からある程度fixできる
- 消しゴムツールで消すように扱える
などの利点を感じています。そして、その方法は↓
「クイックマスクモードで編集…」を使う
赤く乗算された状態で、マスク領域が把握できるクイックマスクを使用します。
ツールバーの下の方にある「クイックマスクモードで編集…」のツールです
黒→白 のグラデーションマスクではなく、
黒→透明 を使うところがポイントです。
グラデーションの黒と反対側のところ(終了点)の不透明度を[0]にして使います。
色は、両方とも黒にしておくと良いと思います。
2枚の写真でグラデーション透明処理をしてみよう
このやり方は、最後の「7. 追加で調整」が容易なところが最大のポイントです。
- 不透明度で配置を先にセッティング
- レイヤー自体の範囲を選択
- クイックマスクモード適用
- 境界の端から内側にグラデーションをドラッグ
- クイックマスクモード解除
- 選択範囲にレイヤーマスク適用
- 追加で調整
という流れになります。
タイトルは、「夏休みモルディブ行きたいな〜」です。
今回は、この2枚の素材写真を使います。
不透明度で配置を先にセッティング
男性の写真を上部レイヤー、モルディブ風景を下部レイヤーにして、男性レイヤーの方の不透明度を調整して大まかに配置。
下部レイヤーの左端にガイドを入れておくと、どこまでグラデーションをドラッグできるか限界領域がわかりやすくなります。
レイヤー自体の範囲を選択
レイヤーサムネイルを⌘を押しながらクリックすると、そのレイヤー自体の範囲選択ができます。
このレイヤー範囲選択もかなりの頻度で使うので覚えておきましょう。
クイックマスクモード適用
クイックマスクモードで編集をクリックすると、選択範囲外が赤く乗算されます。
境界の端から内側にグラデーションをドラッグ
大体の目安でグラデーションを「外側から内側へ」ドラッグします。
この時、下部レイヤーの境界線を超えないように注意してください。
たまによく見ると下のレイヤーの切れ端が、縦に一直線に見えてしまっている画像を見かけるのは超えてしまっているためです。
クイックマスクモード解除
画像描画モードで編集に戻すため、クリックしてクイックマスクモードを解除します。
選択範囲にレイヤーマスク適用
レイヤーマスクを適用すると選択範囲に、グラデーションマスクがかかります。
上のレイヤーが透明になり、下レイヤーと合成されました。
追加で調整する
黒→白 のグラデーションだとこの追加ができず、ドラッグしたその状態になるだけです。
黒→透明 だと追加でグラデーションを増していけます。
黒と透明のレイヤーマスクのため、ドラッグした箇所が追重できるのですね。
左上の黒円のイメージで、
大きめブラシ(硬さ0で境界線ぼかす)で、ポンッと気になるところだけマスク追重も有用。ブラシは大きすぎるぐらいが調度良いです。
男性写真のガラステーブルの角が、モルディブの海に浮き出ているのが気になります。
大きめブラシでマスク追重して、テーブルの透けがきれいに消えました。
追重して選択範囲を拡張したら古いレイヤーマスクは、一度削除する必要があります。マスク部分をゴミ箱にドラッグ・アンド・ドロップで削除可能。
グラデーションマスクのすごいところは、明度や彩度がかなり異なる写真同士でも難なく合成できてしまうところ。この男性とサーフィンのように色味や明度が近い写真同士である必要が特にないのですね。
1枚画像と背景をなじませる
単色背景と1枚写真を合成することもよく使います。
合成とは言えないかも知れませんが、要領は同じですよね。
画像の幅が足りない場合や、写真をズラしてキャッチコピーをのせたい時に便利です。
強力になじませつつ、物体は浮かび上がらせる
グラデーションは長くなればなるほど、なじみます。短すぎると境目がわかってしまう見た目になるので避けたい…でも物にかぶってしまう…そんな時に有効な方法をご提案。
クイックマスクモードで、やや深めにグラデーションをかけて、赤色の乗算がかぶっているお皿の部分だけ消しゴムで消すだけです。
こうすることでグラデーションは長く深めに入り、すごくなじむのと同時に、お皿の輪郭部分だけマスクがかからない状態にできます。
- Photoshopで切り抜く必要もなく
- 一部だけ消しゴムで消すだけ
- 元画像は非破壊のレイヤーマスク
なので良いことづくめです。
まとめ
Photoshopグラデーションマスクの方法は、クイックマスクモードで扱うと拡張性があって使いやすいことがお分かりいただけたかと思います。
写真を半透明にして、全然違う写真とくっつけることができるんですね。3枚以上の複数枚でも案外いけちゃったりします。
写真を合成して画像を重ねたいと思ったときには、またご覧になってください。